CompanyOS

PortXの意思決定を支えるOS。
会社の憲法「A00」と、日々の判断ログ「D00」の仕組みを解説します。

Scroll

なぜCompanyOSが必要なのか

会社が成長しても、全員がブレずに動ける状態を作ること。それがCompanyOSの目的です。

A00がないまま各自が善意で頑張ると、会社は必ず分散し、
目先の案件、採用しやすさ、作りやすさ、売りやすさに引っ張られてズレる。

- A00.md

CompanyOSは2つのファイルで構成されます。会社の不変の原則を定めるA00と、日々の判断の履歴を蓄積するD00です。

この仕組みの本質は、階層ではなくAIが組織の調整機能を担うという設計思想にあります。社員は誰でもA00とD00をAIに読ませることで、CEOに確認しなくても、会社の原則と過去の判例に基づいた判断ができます。

CompanyOS の構造

A00.md - 会社の憲法(不変)
↓ 判断基準を供給
D00.md - 意思決定ログ(日次更新)
↓ 判断の蓄積が会社を強くする
日々の事業活動 - 営業・開発・採用・デリバリー

2つのファイルの役割

A00.md

会社の憲法

PortXが何者で、何を信じ、どこで勝ち、何を実現したいのかを定義する、会社の最上位原則。

  • 会社の存在意義を固定する
  • 何を勝ち筋とみなすかを固定する
  • 何をやらないかを明示する
  • 全員の判断基準を揃える
  • めったに更新しない
D00.md

意思決定ログ

A00に基づいて日々行われる判断の背景・経緯を記録し、会社の判断資産として蓄積する軽い履歴。

  • 繰り返し出る論点を記録する
  • 重要な例外判断を残す
  • A00の解釈に関わる判断を記録する
  • 判断の背景と理由を明示する
  • 日次で更新される

イメージで理解する

📜
A00
憲法
📖
D00
判例集

A00は国の憲法。変えるには重大な理由が必要。
D00は判例集。憲法に基づく日々の判断を蓄積し、次の判断を速く・正確にする。
社員は誰でも「憲法と判例」をAIに読ませることで、自律的に判断できる。

A00 と D00 の違い

A00.md D00.md
役割 会社の最上位原則 日々の意思決定ログ
例えると 憲法 判例集
更新頻度 年に数回(重大な変更時のみ) 毎日(平日)
書くもの 存在意義・勝ち筋・世界の見方・原則 論点・判断・理由・A00との関係
書かないもの 個別案件・一時的な施策 日常連絡・既出の判断・一時的な事項
変更条件 主戦場や競争優位の本質が変わった時 CEO承認があれば随時追記
使い方 判断に迷った時の最終基準 過去の判断の参照・AIの文脈情報

D00にはどんな判断を残すか

🎯

案件・顧客に関する判断

どんな案件をやるか、どういう顧客に張るか、オファリングをどう切るか

🧩

組織・採用に関する判断

AEに何を求めるか、組織をどう分けるか、どの役割を優先するか

🔧

プロダクト・Formulaに関する判断

Formulaの機能優先度、spec.mdの扱い、技術方針

⚠️

例外判断・A00の解釈

A00の原則と現実が衝突した時、どう解釈し裁いたか

D00に残さないもの

日常の業務連絡、個人間の調整、一時的なタスク、既に記録済みの判断。すべてを記録しようとしないことが重要です。後から効く判断だけを残します。

2026-03-28
論点: AE採用で何を優先するか
判断: 論理力やシステム理解より、顧客との信頼構築力を優先する
理由: 要件構造化やシステム面はFDEとFormulaで補完できるため。AEは顧客に本音や背景を話してもらう役割を最優先で担うべきだから
A00との関係: ユーザーの本音を引き出し、中核業務変革の起点をつくるため

D00はこうやって育つ

D00は誰かが頑張って書くものではありません。日常の会話やミーティングからAIが自動で候補を拾い、CEOが承認するだけで蓄積されていきます。

1
あなたがやること = 普段通り働くだけ

Slackで会話する / ミーティングで議論する

特別なフォーマットや報告は不要です。いつも通りSlackで話し、ミーティングで議論してください。AIがSlack全チャンネルと全ミーティングのトランスクリプト(Notta経由)を毎日スキャンしています。

2
意識的に残したい判断がある場合

#d00-input に投稿する

「これはD00に残すべき判断だ」と思ったら、#d00-input チャンネルに自由に投稿してください。フォーマット不要、一言でOK。ファイル添付もOK。AIが最優先でD00候補に含めます。

3
毎日 PM 8:00 自動実行

AIがD00候補を抽出し #d00-proposals に提案

AIがA00とD00を参照しながら、当日の全Slack会話・全ミーティングトランスクリプト・#d00-input への投稿・顧客チャンネルから、D00に残すべき判断候補を生成し、#d00-proposals にCEOメンション付きで投稿します。

4
翌日 AM 1:00 に自動反映

CEO承認後、D00.md が自動更新される

CEOが #d00-proposals のスレッドで候補を確認し、承認(✅)・却下(❌)・修正コメント(✏️)を行います。翌日AM 1:00にAIが承認状況を確認し、OneDrive上のD00.mdに自動追記します。

#d00-input の投稿例

堅い書き方は不要です。こんな一言で十分です。

今日のX社MTGで、在庫の可視化だけでなく滞留在庫の自動アラートまでやることに決めた。理由はX社の部長が「見えるだけでは動けない」と言っていたから。
FDE採用の面接で、spec.md を書ける力よりも顧客ヒアリングから業務構造を抽出する力を重視する方針に変えた方がいいかも。今の案件で痛感した。
Y社の提案で、narrow wedge を「納期回答の属人化解消」に絞ったらすごく刺さった。オファリングの切り方としてこれは型にできそう。

あなたの仕事でこう使える

CompanyOSは読み物ではなく、日々の仕事で使う道具です。
AIにA00.mdとD00.mdを読ませれば、PortXの判断基準を踏まえた壁打ち相手になります。判断に迷ったらCEOに聞く前にまずAIに聞く。それがCompanyOSの基本です。

💻

AIにA00・D00を読ませて壁打ちする

Claude等のAIを使う時、A00.mdとD00.mdを参照ファイルに含めてください。「この案件の提案方針はA00に沿っているか?」「過去に似た判断はあるか?」と聞けば、会社の憲法と判例集を踏まえた回答が得られます。CEOの判断基準がAIを通じて全員に行き渡る仕組みです。

シーン別の使い方

🤝

営業 - 提案前のセルフチェック

提案書を作る前に「この顧客にこのオファリングを提案しようと思うが、A00の勝ち筋に合っているか?」とAIに聞く。D00に似た判断があれば、その理由と結果も教えてくれる。

あなた: Z社に対して、kintoneライクな業務アプリ開発を提案しようと思う。A00的にどうか?

AI: A00 Section 7 に「kintoneのような市民開発市場では戦わない」と明記されています。Z社の課題が中核業務の変革であれば、Formulaのnarrow wedge(例: 在庫・納期・生産調整)からの提案が適切です。D00にも「narrow wedgeを絞ったら刺さった」という判例があります。
🔧

開発 - 機能の優先度判断

新機能の開発優先度を決める時、「この機能はA00の勝ち筋のどこに効くか?」と確認する。D00に「Formula Platformが優先すべき機能の考え方」が判例として残っている。

あなた: ダッシュボードのカスタマイズ機能と、spec.mdの自動差分検出、どっちを先にやるべき?

AI: D00の判例「Formula Platform が優先すべき機能の考え方」では、優先順位は 受注・案件化への寄与 > 顧客の価値実感 > QCD・粗利 > 再利用性 です。spec.md差分検出はデリバリーQCDに直結するため、ダッシュボードより優先度が高いと判断できます。
👥

採用 - 評価基準の確認

面接で候補者を評価する時、「AEに求める資質は何か」をD00から確認する。「論理力よりも信頼構築力」という判例が残っており、評価軸がブレない。

あなた: AE候補のAさんは論理的だが人当たりが硬い。Bさんは顧客と雑談から信頼を作れるタイプ。どちらを優先すべき?

AI: D00にある「AE採用で何を優先するか」の判例では、「論理力やシステム理解より、顧客との信頼構築力を優先する」と判断されています。理由は「要件構造化はFDEとFormulaで補完できるが、本音を引き出す関係構築は代替が効かない」から。Bさんが適切です。
📊

デリバリー - 案件方針の確認

顧客のリクエストがA00から外れていないか確認する。「この要望はユーザー主導の中核業務変革に繋がるか?」を判断基準にできる。

あなた: 顧客から「既存のERPの画面を丸ごとコピーしてほしい」と言われた。対応すべき?

AI: A00 Section 16「何をやらないか」に「単なる安売りSIにならない」とあります。また会社A00は「競争優位そのものを実装する」こと。ERPのコピーではなく、その業務で顧客が本当に変えたいことを引き出し、ToBe起点で再設計する提案に切り替えるべきです。

今日からやること

1

A00.mdを一度読む

全19セクション。PortXが何者で、どこで勝ち、何をやらないかが書いてある。全員の共通言語になるので、一度は通して読んでください。

2

CompanyOSフォルダでClaude Codeを開いて壁打ちする

判断に迷ったらまずAIに聞く。OneDrive上の 00_CompanyOS.md フォルダでClaude Codeを開くだけで、A00(憲法)とD00(判例集)を踏まえた壁打ちAIが自動で立ち上がります。特別な設定は不要です。CEOに聞く前のセルフチェックとして習慣にしてください。

手順:
1. OneDriveの 00_CompanyOS.md フォルダを開く
2. そのフォルダでClaude Codeを起動する
3. 判断に迷っていることをそのまま聞く
→ AIがA00とD00を自動で読み、憲法と判例に基づいて回答します
3

#d00-input チャンネルに参加する

「これは会社として残すべき判断だ」と思ったら、いつでも投稿してください。フォーマット不要、一言でOK。ファイル添付もOK。AIが毎日PM 8:00に自動で拾い、D00候補に含めます。壁打ち中にAIから「この判断はD00に残す価値がありそうです」と促された場合も、#d00-input に投稿してください。

CompanyOSが目指すもの

CEOの頭の中にある判断基準を会社の共通資産にしつつ、
日々ちゃんと参照される状態を作る。

A00を重い制度文書にすると、誰も読まなくなる。
かといって、日々の判断を全部A00に入れると、陳腐化する。

だから、A00は不変の原則として固定し、D00で日々の判断を軽く蓄積する。
AIが自動収集し、CEOが承認するだけの運用にすることで、誰にも負荷をかけない。

そして社員は誰でも、A00とD00をAIに読ませて壁打ちすることで、階層を介さずに自律的に判断できる

案件のたびに会社が強くなる複利構造。それがCompanyOSです。